「最高より最適を」- 羽毛ふとんの性能を自由に設計する指標

CIL では、快適で良質な睡眠を実現するために「羽毛と羽毛ふとんの性能を可視化する」必要があると考えています。
これを長年に渡り研究し、様々な実験と膨大なデータの分析を重ねて導きだしたのが「コンフォートインデックス®」という指標です。

※ ふとんと身体の間の温度
快適な睡眠とは
日本睡眠環境学会によると理想的な寝床内温湿度は、温度が33±1℃、湿度が50±5%(RH)であるとされています。
つまり睡眠中に快適だと感じる「ふとんと身体の間の温度」が「33℃±1」で、それがよく眠れる状態だと言えます。

この「寝床内温度® 33±1℃」が保たれるよう「コンフォートインデックス® - 5つの基準」で使用場所の室温や気象環境に合わせ、羽毛ふとんを自由に設計することができます。

  • 保温性能 - tog
  • 軽暖性能 - WWR
  • 最適容積
  • ドレープ性
  • 吸湿放散性

保温・断熱性能

一般的にも寝具の保温・断熱性能を表す指標に使われている「tog値」は、ふとんが熱を逃がさない度合いを数値化したものです。
数値が大きいほど熱を逃さず(=保温・断熱性が高い)、部屋の温度が低い環境で快適な睡眠を得ようとした場合は、それに応じてTOG値も大きくなります。
部屋の設定温度を2℃下げたとしても室温に影響を受けない快適さを得ることができ、経済や環境に優しい設計が可能です。

同じ保温力での羽毛の軽さ

軽暖性能は「Warmth-to-Weight Ratio(単位重量当たりの保温能力)」といい、同じ保温力(tog値)であれば WWR値 が高いほど羽毛ふとんの重量は軽くなります。
このWWR値を指標にし、寝床内温度®はあくまで同じ暖かさで、より軽いふとんを設計していくことができます。ただし、ふとんの重量には人によって適性や好みがあり、最も軽いものが使用者にとって常に最適だとは限りません。

羽毛の保温性能がいちばん発揮される最適容積

羽毛は自然状態のときに最も空気を多く含み、保温性能が最大になります。
CILでは、日々の取扱い(使用・収納)や経年劣化を想定し、「ふとんの中で羽毛の保温性能が最大となるための最適容積」を算出する公式を導き出しました。この最適容積を実現するために、ふとんのキルトの1マスの高さが最適となるように、ふとんを設計することで、羽毛の保温性能の最適化が可能になります。

身体に優しく添うフィット感

ドレープ性=フィット性能が良い程、寝返りをしてもふとん内の暖かい空気を逃さず、一晩中快適に眠ることができます。CILでは、独自に開発した測定器により、ドレープ性が計測できます。
睡眠中に動いても寝床内温度®が下がりにくい設計が可能です。

ふとん内の湿度を吸収して外に放出

寝ている間に寝床内で生じる蒸れを、ふとんがいかに早く吸湿し放散することができるかを示す性能です。
人は睡眠中、一晩にコップ1杯半程度の汗をかくと言われ、この汗が湿気となってふとんの中が蒸れます。この湿気を羽毛が吸収して呼吸のように外へと吐き出し、爽やかな暖かさを保ちます。
羽毛はそもそも、フェザーでもダウンでもこの吸湿放散性にとても優れています。特にフェザーはダウンの1.8倍以上の吸湿放散性能を誇ります。つまりフェザーの割合が多いふとんは、新陳代謝が活発な若い人や、暑がりの人により最適と言えます。ダウン率の高いふとんがすべてにおいて適切だというわけではありません。